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日清医療食品の挑戦

内山亜希子×横田千絵×三澤万里子

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栄養科の横田さんが持参したファイルには、これまで作成したレシピやポスター等、
取り組み内容が一目でわかる資料が時系列で収録されていた ▲

内山:そうです。同じご飯であっても、「冷たいご飯だったら食べられるけど、温かいと臭いが気になって食べられない…」という患者様もいます。ちょっとした差なのですが、これを一日三度の食事でやっていくのって、意外と大変です。でも、将来的には、小さなことも含めて、配慮できるようになりたいです。

横田:そのためには、一方で業務の無駄を省くことが重要だと考えています。限られたマンパワーでやっていくわけですから。実は、気づいてないけれども、そんなに大切じゃないことにとても時間をかけていたりだとか、能力を使っていることがあったりします。そんな時に重要なのが選択ですね。業務集中をさせるために、切り捨てる部分はバッサリ切り捨てるという判断力も必要になって来ます。的確な判断ができれば、無駄も減る。すると、より細かな食事サービスも実現できると考えています。

一番大事にしなくてはならないのは
喜んでいただく、楽しんで食べていただくこと

三澤:選択と集中をはっきりさせることは、とても重要ですね。

横田:そうです。それは、望月院長が、なぜ40床にしているのか、40床にこだわっているのかということと関連してきます。やはり、「患者さん一人一人に目がいき届くように…」という配慮からだと思うのです。私たちは、「そうした想いに応えられる栄養科でありたいな…」と、いつも思っています。やはり、医療=サービスという観点で考えますと、私たち栄養科が一番大事にしなくてはならないのは(食事を通じて)喜んでいただく、楽しんで食べていただく、という一点だと思うのです。たとえば、過去に事情があって、かき氷しか召し上がれない患者様がいらっしゃいました。この場合、通常なら厨房でかき氷を作って、そのまま部屋にお持ちします。でも、私たちはあえて、患者様の目の前で氷を削りました。シロップは数種類持っていって、その場で選んでもらいました。シャカシャカ!ガリガリッ!という氷を削る音、雪のように白い氷が、シロップの色でジワ〜と染まっていく…。何と言うか、そうした雰囲気も全部含めて、できるかぎり食事を楽しんで、味わっていただきたかったのです。私たちは、そうしたサービス精神というか、企業風土みたいなものを、今後も積極的に取り入れ実践していきたいなと考えています。これは、「こんな時はこうしなさい」と、誰かが教えてくれるものではありません。ですが、スタッフ全員がES(職員満足)=CS(患者満足)という理念を胸に、勇気を出して意見を言い、思いやりを持ってお互いの意見を尊重・実践していけば、今まで以上のサービスを提供できると思っています。

三澤:病院と給食会社の連携によって、こういう素敵なお話が聞けるんですね!よろしければ、最後に一つ、日清医療食品様に協力しあえるコツのようなものがあれば、教えていただけませんか?

内山:コツというより、組織のあり方だと思います。そこで働くスタッフ同士の協力があって、はじめて出せるお菓子だとか、食事ってあると思うのです。ちょうど今日がそうでしたが、「焼き立てパンの日」は、パン教室の先生が、毎月2回パンを焼いて提供しているのですが、配膳は看護部の方に協力していただいています。ですから、コツというよりも、そこに協力しあえる組織や風土がないとできないように思います。

三澤:それはまさしく、望月院長をはじめ、須藤常務理事がおっしゃっている、「どんな環境でどんな人達と働くか?」ということに通じるところがありますね。

横田:私たちの病院のロゴマークには、漢字の「人」という字がデザイン処理されています。そこには患者様だけでなく、そこに集う全てのスタッフが支え合い幸せになるという想いが込められているのです。

横田千絵 勇気を出して意見を言い、思いやりを持ってお互いの意見を尊重・実践していけば、今まで以上のサービスを提供できると思っています。

インタビュー当日、嬉しいことがありました。「お暑い中、お越しいただいてありがとうございます」と、内山さんと横田さんから、手作りのアイスをごちそうになりました。そうしたさりげない気配りに、多くの患者様の喜んでいる姿が容易に想像できました。

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